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まずいスープ

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数か月使っていなかった鞄を使うことになって、朝鞄を開くとそこに文庫本が入っていたから読むことにした。
その昔結婚していた頃、私の母親の誕生日に妻と私の母と弟とフレンチで夕食をとることになったのである。そもそもその夜は、偶然母の誕生日を思い出してなんとなくみな都合がついたので予約などしておらず、とりあえず高級そうな店に乗り込んでいったのだけれどもどこも予約でいっぱい、当たり前の話。
どうしようか、まあとりあえず高級そうなとこ見つけて特別な感じでいいかと空いていたフランス料理屋に入って、
予約ないんすけどてきとーにやってもらえまっか、つったら居酒屋みたいに快諾でその時点でオーナーシェフの目の異様さに気づいていればよかった。

味もコクもない、あらゆる食材の旨味を煮込んで捨てる部分だけを残した重油みたいな重々しい透明のスープが出てきたのである。
もう6年以上経つのに、あの夜のあのスープは忘れられない。
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# by artist-suguru | 2017-04-28 19:37 | Comments(0)